―罪―

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「さてロイド。お前にはエルフの件で色々と助けられている。が、それとこれば別だ。なにか知っているならいますぐ吐きな」 「結果で言うと私はなに一つ知らされていない。軍といえども、国の上層部が、すべての情報をくれるわけではない」 ――軍。それは国の直属ではあるが、すべてのパイプが通っているわけではなかった。 実際、総隊長という地位に君臨しているにも関わらず彼はなにも知らされていない。 それが上が信用してないからなのか――もしかしたらロイドの人柄によるものかもしれない。 それを説明してもリリーは納得しなかった。 頑固ゆえの信念。 ロイド自身は、彼女の方針は素晴らしいと感じているが、やり過ぎではないかと思っているのもまた事実だったりする。 と――その時。 「――ん?」 リリーが白い耳をピクリと反応させた。 ロイドを睨んでいた瞳がドアの方に集中した。 「リリー?」 クレイドが突然黙った彼女を心配する。 「ハッ! 今日は随分と客が多いね」 「――――私のかわいい生徒と、少しは役に立つ教師が帰ってこないものでな」 カチャリとノブが捻られ、開いたそこには流れる銀髪。スッとした細身の女性がづかづかと支部長室に入ってきた。
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