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――セイレーン魔法学校
この世界でも有数の、魔法を学べる学校。
突然魔法の世界に旅立つこととなった俺、〝レイ=ランス〟の通う学校である。
普段ならすでに授業が始まっている時間のハズなんだが……、
『くらえ俺の消える魔球!』
『ふははははっ! 消えるなんてハッタリ――って消えたーっ!?』
なにやらクラスメイトの男子たちが野球みたいな遊びをしている。
箒をバットに、球は丸めたゴツイ紙を使っている。
楽しそうだなぁ……。俺もやりたい。
「それにしても、今日は一日中自習なんて……。どうしたんだろう」
行儀よく席に座っている(それが普通だが)猫耳を生やしたかわいらしい少女が呟く。
「いいじゃない。楽なんだし」
誰もが見惚れるような顔付きをした金髪少女〝アスカ=ヴェルデス〟は不気味なくらいご機嫌だ。彼女は上位王族のご令嬢だったりする。笑顔は格段にかわいい。
そんなに頬が綻んでしまうほど自習が嬉しいのか。俺としては早くみんなと同じくらいの学力を付けたくて仕方ないんだが。
勉強自体は嫌いだが、周りに引けをとるのはもっと嫌だ。
突然、ボリュームのでかい澄んだ声が教室内に響いた。
「みんな静かにしないか! いまは自習の時間で休憩時間じゃないぞ!」
水色ポニーテールを激しく揺らしながら立ち上がったのはクラス委員長の〝リザ=ウェルディ〟。
生徒会にも属しているだけあって真面目な性格だ。
残念なことに、ちょっと変わった常識をインプットしてしまっている人物だ。
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