―始動―

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「仕方ないよアスカちゃん――」  俺の席の前に陣取る猫のエルフ、〝サラ=エルヴァス〟は柔らかい笑顔を見せながら俺をフォローしてくれた。  さすがは常に中立を貫くサラだ! そのまま俺の味方に……。 「――レイくん、ちょっと頭悪いから」 「ストレートぉーー!?」  ぐっ……、なんて直球過ぎるんだ。せめてオブラートに包んで欲しかった……。 「あー、そうよねぇ。ごめんねレイ。あたしが悪かったわ」 「謝らなくていい! すごくリアルに聞こえるからっ!」  俺のガラスでできたハートは粉々に砕けてしまいそうだ。  悲しみと悔しい気持ちに包まれる俺を見て、サラはなぜか慌てだす。  どうやら自分の発した言葉の残酷さに気付いてないらしい。 天然って怖ぇ……。 「ハイハイなにイジけてんのよ。サラだって悪気はないんだから気にしない」 「悪気がないからこそ傷つくんだよ! 冗談混じりじゃない言葉って殺傷能力たけぇーなぁオイ!」 「ご、ごめんねレイくん! 私、あのっ、そのっ、思ったままを言っただけで……っ」 「ぐはっ!」 「サラ、ナイストドメ」 「れ、レイくんっ!?」  そんな様子をアスカは笑い、やはりサラはあわてふためくのだった。
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