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その後、昼休みを跨ぎ放課後となる。
なんらかの理由ですべての授業が自習だったおかげで、俺はずっと臨時教諭アスカに勉強を見てもらっていた。
なかなか厳しい先生だったよ。
間違ったら剣が目の前を舞うなんて……いささか厳し過ぎる気がするが、追いつめられると人って素晴らしい力を発揮するらしく、なぜか頭に入った。
「さーて、帰るかレイ」
鞄を肩にかけたケイトが歩み寄ってきたが、その後ろでリザがケイトの肩を掴む。
「お前は遊んだ罰として私と補習だ」
「いやいやいやっ! 途中から真面目にしてたじゃねぇか!」
「問答無用だ!」
リザはケイトの襟首をむんずと掴み、引きずっていく。
「やめろ! 離せ! 遊んでたの俺だけじゃねぇー!」
「うるさい!」
さらばケイト。頑張ってリザの補習を受けるんだな。
揺れる水色ポニーテールとライオンヘアーの二人を見送り、俺は鞄を持った。
「んじゃ。俺らだけで帰るか」
「うんっ」
「仕方ないわねぇ。一緒に帰ってあげるわよ」
元気に返事をするサラと、意味不明な勝ち誇った顔で上から目線なアスカ。
そこは素直に返事したらいいのに、なぜこいつはいつもこうなのだろう。
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