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ーー12月23日、祝日の朝。
外の空気は、皮膚が凍ってしまうかのように冷たい。
ベッドの中で、柔からな寝具に包まれているならばなおさらだ。
木村家、長女(17歳)由梨はどちらかと言うと冷え性だ。
寝ている間に、厚手の靴下を無意識に脱いでしまったため、足先が冷えてしまった。
モゾモゾと、足をこすり合わせ温めようよする。
(さむ……)
ちっとも温まらない。
体を丸めて縮こまろうとした時、何やら大きくて暖かい物体を発見した。
何だかよく分からないが、夢うつつのまま、それにピタリとくっついた。
「んーー……」
ポカポカと温かいそれは、拒む様子はなく、由梨の背中に腕を回し、自分の胸の中に彼女を包み込む。
(ぬくい……ん?ぬくい?ぬくい?ぬくい?何で?)
薄らと目を開ける。
「おはよーー♪サンタさんだよーー♪」
目の前にあったのは、8歳年上の兄の顔。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああ!!」
木村家、長男(25歳)一哉は、長女の手により。
「イデエッ!!」
いや、足によりベッドから蹴り落とされた。
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