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「はあ、はあ、
一体どれだけいるんだよ。」
荒れ果てた荒野で人間のギルド員の一人が目の前に広がる魔物の群れに呟く。
ギルド員は満身創痍だった。
仲間も皆倒れ、残っているのは彼を含めても極僅か。
どう見ても勝ち目が無かった。
「....ははは....もう..ダメなのか?」
ギルド員はその場に膝をついて絶望した。
それを見た魔物達は、一斉に残ったギルド員達に襲いかかった。
ギルド員は死を覚悟して目を閉じた。
その瞬間物凄い音が響いた。
(.....おかしい、攻撃がこない?)
ギルド員は目をゆっくりと開いた。
「!?
何だ!!これは!?」
そこには、魔物の群れの死体が広がっていた。
「一体、何が?」
ギルド員はそう言って魔物の死体を見渡す。
(......あれは何だ?)
ギルド員は魔物の死体の奥の方に佇む羽の生えた見た目10才くらいの少年みたいな生物を見た。
(....人間か?
だが、こんな数の魔物を一瞬で消してしまうなんて、
それにあの羽は....)
ギルド員が確かめようと思い、近付こうとした。
「....ぃ....よ....」
いきなり何かを呟いたかと思うと、生物は背中の羽で飛んで行ってしまった。
(....一体何だったんだ?)
<後に...この翼がはえた者は人々にこう呼ばれるようになった...
『天魔の英雄』と>
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