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今夜の矢城は少々タチが悪いな…。
オーバーな。
「先輩」
矢城は憑かれたように笑いながら、
くしゃくしゃの紙切れを差し出した。
「あげます、これ」
「なんだよ?」
映画のチケットのような形の紙で、
何かが書いてある。
「見ての通り、券ですよ」
貴方にとって夢のような出逢いをサポート致します…
「交際倶楽部?」
いかがわしい店のイベント券じゃないか。
俺は苛ついて紙切れを突き返した。
「お前が使えばいいだろうが」
矢城は真顔になった。
「勇気がないんで譲りますよ」
勇気?
「よく読んでませんね…まぁいいや…」
矢城は立ち上がった。
足取りも目付きもおかしい。
「お先に失礼しますよ」
「おい矢城」
「…先輩」
それ、使っても棄てても、
自分には判りませんから。
…是非どうぞ
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