6人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
レッスン0同級生は…
ごく普通の教室、黒板があり、教台の前に机が並んだとある高校での話。
キーンコンカーンコーンと放課後のチャイムがなり、クラスは、私語であふれかえりガヤガヤと賑わいを見せる。
そんな中、一人鞄に教科書をしまい、すぐに帰宅できる準備をする高校生。
それが、この男…
桜井保である。
真面目で文武両道な彼は、他の生徒から近寄り難い存在であり、放課後となっても誰一人寄り付いて来ない存在であった。
そんな生活も今となっては慣れたもの…
別に淋しさとか微塵にも感じない。
今日も当たり前の様に、教室を出ようとしたその時だった。
「おーい!保!ちょっとこい!」
担任の金パツが、保 を呼び止めた。
生徒に金パツと呼ばれているが、別に金髪と言うわけではない…
名前が金田 正…
いつも髪型がオカッパのパッツンヘアであるから、金パツなのだ。
「はい、なんですか?」
保は、ゆっくりながらも金パツの元へ足を運び、用件を聞く。
大体、金パツに呼ばれると言う事は、なにか頼みたいことがある時だ。
明日…期末なのになぁ…と、ため息の一つでも付きたくなるも、保は金パツの前に立ち、素直に聞くことにした。
「頼みがあるんだが…」
そらきた! この頼み魔神が…
保は、またかと言うような顔で堪えていたため息をふーとつくと、金パツの顔に目線を戻し、用件を言うのを待った。
最初のコメントを投稿しよう!