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私、結城芥は、“どこにでもいる”と自分で言えるくらいにどこにでもいるような高校生。 平々凡々、目立たない、なんだかんだ真面目ちゃん。 別にそんな自分を嫌だと思うこともない。だからこの性格や容姿をなおすつもりもないし、なおさなきゃいけないとも思わない。 ただ。 「「「「おはようございますっ、果佐山くん!」」」」 「「「「おはよう果佐山くん!」」」」 「「「「おはようございます、果佐山さん!」」」」 (今日もだいぶうるさいなぁ) 「おはよ。」 「きゃぁぁぁ、果佐山くんが私に笑ったわ!」 「違うわよ、今のは私に向けてよ!」 「何を言ってるの?自意識過剰もいいところよ!」 「なんですってー!」 一般に、お嬢様とか御曹司と呼ばれる部類の人たちが入る名門私立校。 その校門の前で羞かしげもなく群がる人。人。人。 角砂糖と蟻みたいに気持ち悪いことになっている。 群集の真ん中にいる角砂糖は、果佐山和葉。女の子のようなかわいい名前とは裏腹に、すらっとした高い背と引き締まった体格のいい体を持つ美青年。 「まぁまぁみんな。俺はみんなに平等に挨拶したんだからさ。喧嘩しないで?」 …訂正。ただのチャラ男。
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