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「おやおや、また来たのかい」
縁側に座りお茶をすすっている老婆の元へ、二人の少年が歩いてくる。
「だって……お婆の話面白いんだもん!」
元気よく話しかけてくる双子の兄、太郎。
太郎は隣に座る弟の次郎に、
「お前もそう思うよなぁ!」
怒鳴るように尋ねた。
次郎はコクコクと首だけで頷いて答えた。
「相変わらず次郎は大人しいのぉ」
老婆は二人を優しく見つめ、隣へ座るよう促す。
「こいつ、頷く事しかできないから」
弟の頭を撫でながら、太郎は老婆の真横へ座り、その横へコクコクと頷きながら次郎が座る。
「今日はどんな話を聞かせてくれるの?」
太郎は眼を輝かせながら老婆に問う。
「そうじゃなぁ……
月のお話なんてどうじゃ」
老婆は確認するように双子の兄弟を交互に見やる。
「聞きたい!
なっ、次郎!」
太郎の言葉に次郎が頷く。
コクコク。
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