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「ローシャたん…ローシャたんかぁいいよ…ハァハァ…」
瞬きすることも忘れて画面を凝視する。愛しのローシャちゃんが今日も俺を罵倒する。
“はぁ?アンタキモいのよ!その臭い息吐きかけないでくれないっ?”
「ツンなローシャたんもかぁいい…」
先にも紹介されただろうが、俺は鈴村悠介。ローシャたんを愛するごくごく平凡な18歳だ。
……その冷ややかな目を向けられることくらいわかってたさ。
俺は俗にいうオタクだ。意外と誇りは持っているんだ、ローシャたん以外の人が俺を罵倒するなよ。
“何ヵ月も部屋から出ずにパソコンばっかりやってるキモオタのくせに…”
俺は大学には行っていなかった。受からなかったわけではないんだ。
今年の春、俺はしっかりと国立大に受かり、数ヶ月前まで通っていた。だけどある日疑問に思ったんだ、どうして俺は大学なんかに通ってるんだろうかって。
俺が入った学部は正直興味など欠片もなかった。今の世の中、大学を卒業しないといい仕事に就けない、だなんて親が言うから、俺は去年、嫌々ながらも勉強した。そしてそこそこな国立大には入れたのだ。
“バッカじゃないの?せっかく入った大学やめようなんて”
俺は勉強する意味が見いだせなかった。
やりたいことを学ぶのは楽しい…大学ってそういう場所じゃないのか?どうして俺は学びたくもないことをここで学んでるんだよ。
嫌々勉強して親の金を学費に費やして…自分のしてることが無意味に思えた。
だから決めたんだ、大学なんてやめちまおうって。
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