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そんな俺を親は許さなかった。大学を卒業していい仕事に…なんて親の世間体の問題だろ?
鈴村さん家の悠介くん、ニートなんだってー、なんて近所に言われたくないもんな。親は俺を自分たちの恥にしたくないだけなんだ。
そんな親と冷戦なう。
現実逃避で開いたパソコンで出会ったのがローシャたんだった。
テレビアニメ『ロザリオ』が動画サイトにアップされていたのを見つけて以来、俺はオタクの世界にどっぷりとつかってしまった。
この数ヶ月で集めたフィギュアの数は20いくかいかないかのところ。もともとあまり外には出なかった俺はここ何年間かでたまっていたお金をほんの数ヶ月で使い果たしてしまった。後悔なんてないさ、今はたくさんの俺の嫁がついてるんだからな。
“アンタ何股かけるつもりよ、冴えない顔してるくせに”
「もちろん俺の一番はローシャたんだよ」
“キモ”
このバッサリと切られる爽快感が好きだ。
……まぁ実は全部俺の脳内での会話、すなわち単なる妄想だけど…。
“アンタ、ドM?”
「いや、ローシャたんだけだよ。罵倒されて嬉しいのは」
“……イタすぎてもう何も言えないわ”
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