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「あっ、今日は学校に行くの?じゃぁ一緒に行こっ」
背中から、そんな声が聞こえた。
振り向かなくても解る。幼なじみの春香だ。
ぼくが『こう』なり、他人を寄せつけない今も関わり続けてくる。
いくら無視をしても構わず付いてくるため、最近は諦めた。
「‥‥おれみたいなのと一緒にいると、陰口を叩かれるよ」
「えー?友達も『幼なじみってだけで、あれに近づくのはやめなよ』とか、『あんたも苛められるよ』って、言われたけどー」
「あたし、秋人んこと好きだもん🎵だから何言われても離れない!」
何度聞いたかわからないその言葉に、溜め息をつく。
「‥‥ぼくは、昔とはちがう。君が好きだった昔のぼくは、もうどこにもいない」
「‥‥‥‥秋人は変わってないよ」
立ち止まり、微笑む。
「‥‥‥」
無視し、そのまま足を動かす。
学校へ着いた。
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