第2章「言えない自分にサヨウナラ」

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「ふあぁ~…!んー…よく寝た…そろそろ起きっかな…」 春休み明けに転校してきたレイチェル。俺はあれからレイチェルの初めての友達になった。日本人はそこそこ話すようになっても友達とは言えないかもしれないけど、アメリカではいろいろ話すようになったら友達の証らしい。レイチェルがそう言ってた。 「えっと…なんか朝メシになる物あったっけ…」 台所に立って冷蔵庫の中を見る。…ユウトハレイゾウコノナカヲシラベタ!…シカシナニモミツカラナカッタ… 「マジかよ…!…あー…そういえば昨日はコンビニで済ませて…志帆も撮影で泊まり掛けで沖縄に行ってるんだっけ…」 なんて事だ…!俺の生きる三大活力のフェチ、メシ、爆睡のうちの1つを欠かせてしまう…!それに俺が高校に行く道にコンビニはない…!どうするか… ピンポーン! 「ん…?誰だよこんな朝早くに…」 また勧誘か志帆のファンだな…!ここはいつもどおり追い返して… 「はーい…?」 「Hi!グッモーニンッ!ユウトサン!」 「レイチェル!」 てんしってのはほんとうにいるもんなんだな ゆうと 空腹で飢えてる俺だったけどレイチェルを見ると元気がでるんだよなぁ!レイチェルを上げてお茶を出す。…あれ…?そういえばレイチェルに俺の家って教えたっけか…? 「レイチェル…俺…君に家って教えたっけ?」 「Oh!サハラティーチャーに、カシワギサンのお宅はドコでスカ?ッテ聞いタラ「カシワギにはプライバシーとゆう概念はない」とか言って教えてクれマシタ!親切ネ!」 「そうだったんだ」 個人情報なんだけどな。とゆうか俺にだってプライバシーはある。まあ…あの感じだから俺の事は生徒とは思ってないんだろうけど。まあ今はあの冷血人間の事を考えるのはやめよう。結局俺は朝メシは抜きにしてレイチェルと学校に向かった。 風になびくレイチェルの金髪は綺麗だ。シャンプーのいい香りがする。そんなレイチェルと一緒に学校に行けるなんて俺は幸せだな。端から見れば俺とレイチェルは恋人同士に見えてるのかもしれない。 思いきって告白しちまえよ!…なんて事も考えたけど…俺にはトラウマがある…。それも人にはとても言えないトラウマが…。
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