第2章「言えない自分にサヨウナラ」

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ユウトサン…? 今俺の隣にいるレイチェルにはそんな事言えない。仮に言ったとしたら…レイチェルには嫌われそうで怖い。 ユウトサン!? だから俺はこうしてレイチェルと…登下校する友達のままでいいん「ユウトサンッ!!!」 「えっ…!?ああ…なに?」 「ワッツハープンッ?どうシマシタ?」 「あっ…いや…その…」 「Un~…」 レイチェルは俺の前に立ってジッと俺の顔を見る。その顔はすごく悩ましい。 「…ユウトサン、何か悩ミ事してルネ?」 「えっ?!」 「顔にライティングされテマス!」 …ライティング…「書く」…顔に書かれてるって事か? 「はは…!別に悩み事なんてないって!」 「ウソデス!ワタシにハわかりマス!とてモ深い悩み事ネ!」 「レイチェル…」 「トモダチ…フレンズにハ悩み事話す当タリ前ヨ。レイチェルで良かッタラ、話シテ?」 レイチェルは俺を心配してくれてるのか…?表情はすごく柔らかく、優しかった。レイチェルに話してみるか…?でも…聞いたらレイチェルは俺を嫌ったりしないだろうか? 「…レイ…チェル」 「ハイ?」 「…じ、実は…」 「Un?」 いつの日だか俺はダチにあの事を話した事がある。その時「必ずお前を受け入れてくれる人はいる」と慰めてもらった事があった。その時俺は心から「友達」のありがたみがわかった。だけどレイチェルには言えない。 「は、腹減っててさぁ!朝から何も喰ってないんだ!」 「…ユウトサン?ワタシ、本当の事聞きタイネ。例えユウトサンがドンな人でも、ワタシはユウトサンのフレンズネ♪…だカラ…話しテ下サイ。ネッ?」 「…わかった…」 レイチェルにはどうやら俺の思っている事は全部お見通しらしい。だけど今すぐにってわけにはいかない。俺にも…そうだ、心の準備がある。 「…レイチェル、今日1日何も言わないでくれない?それで…放課後、屋上にいてほしい…必ず…」 「…ユウトサン…」 「頼む…」 「…OKネ。レイチェルは、ユウトサン信じマス。」 放課後…レイチェルに全て話そう。もう嫌われたっていい。俺はそう決めた。
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