第2章「言えない自分にサヨウナラ」

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今さらだけど俺の家の間取りを話しとくか。俺の家は二階建ての家。二階には俺の部屋と志帆の部屋、今はいない両親の部屋がある。まあそこは物置みたいになってるが。一階には台所、トイレ、風呂と居間がある。 居間はほとんど志帆が占領してるけど。志帆がどんな本を見たりしてるかなんてわからないし、たまにDVDを見てるけどよくわからない。料理は俺と志帆が交代でしてる。志帆は「余ったからあんたにあげる」と言っていつも俺にくれるだけだ。まあくれないよりはいいかな。 そうそう、二階の俺の部屋にはテラスがある。たまにここに出て星空を見たりしている。椅子が二つ置いてあるのは…まだ俺になついていた頃の志帆の椅子だ。今でもいつでも座れるように綺麗にはしてるけどもう座る事はないかもしれない。 そしていよいよ俺の部屋…もとい、「哲学の聖域」だ!壁にはF1のポスターにカレンダー、今は使わない勉強机に…俺の哲学の書が置いてある押し入れ、ベットに衣紋掛けがある。ちゃんとパソコンとテレビ、ゲームも完備してあるぜ!ん…なに…?ベットの下?はっはっは!甘いな!俺はベットの下には何も置かないのだ!哲学の書はすべて押し入れに… 「Wao♪ユウトサン!PlayBoyイッパイあるネ♪」 「あーっ!!」 終わった…柏木勇斗とゆう哲学家の人生がたった今…出しっぱなしにしていた哲学書により壊れ去った… 「ユウトサン…!こうユウのガ好きデスカ…!?」 「あ…い…う…、うん…」 「Oh~…!Wao…!…ユウトサン…男ラしいネッ!レイチェル男らしイ人大好きヨ!」 あれ…?おかしいな…普通ならここで「エッチな人嫌い!」とかゆうのがセオリーなんじゃ…?…ま、まあとにかく!レイチェルに嫌われてはいないみたいでよかったよかった!さて、何かオヤツと飲み物でも持って来るかな。レイチェルを部屋に残し、俺は台所に。居間には志帆が不機嫌そうに煎餅をかじりながら携帯をいじっていた。 「えーっと…」 「…ねぇ…あんた…」 「"あんた"なんて人は柏木家にはいません。」 「キモ変態兄貴!」 「…せめてキモはやめてくれ。なんだよ?」 「なんで…なんであんたみたいな超絶キモ変態にあんなカワイイ娘が友達なわけ?!信じらんない!あんたあの娘の弱みでも握ったの!?それともお金出したの?!」 「バカかお前…」 「うっさい!もういい!」
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