第2章「言えない自分にサヨウナラ」

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「なんだよ…まったく…」 「フ、フンッ!あの娘があんたの趣味知ったら一気に終わりよ!」 「それならもうカミングアウトしたぞ~…おっ、煎餅なんかいいかな。」 「はぁーっ!?なんで?!」 「わかったから宿題でも早くしろ。」 「ぐぬぬぬ…!許せない!ちょっとあの娘に話してくる!」 ドタドタドタ! 「あっ!おい志帆!待て!」 あいつ…!レイチェルに変な事言いやがったらタダじゃおかねぇ! 「ねえレイチェル!」 「Un?Oh!志帆!ワッツハープンッ?」 「あんなキモ変態兄貴のどこがいいの?!あいつ変態なんだよ!?こんないかがわしい本ばっか読んでるキモい奴なんだよ?!」 「Oh!ユウトサンは優しい人ネ♪ソレに、PlayBoy読ム人、男ラシくてスてきネッ♪」 「で、でも!レイチェルもこんな格好させられるかもしれないんだよ!?」 「Oh~♪楽しソウネ!ユウトサンなら…レイチェルはいいデスヨ♪」 「なんで?!なんでなんでなんで~!?」 「志帆!」 「ねぇレイチェル!何かこいつに弱み握られたの!?」 「いい加減にしろ!」 「…!」 「俺はレイチェルとは友達なんだ!お前…!自分の友達との仲をぶち壊されたらどんな気がする?!」 「な、なによ…!キモ変態兄貴のくせ「バカ野郎!」 「いいか!?俺の事はキモいだの死ねだのどれだけ好き勝手に言ってもいい!だけどレイチェルは巻き込むな!俺の…!俺の大切な友達なんだ!」 「ユウトサン…」 俺は志帆の肩を掴んで怒鳴った。いつだか志帆の顔を張った時、俺はたった一人の妹に暴力を振るった事を後悔した。志帆は読者モデルなんだから顔に傷がついたら大変だ。それ以来、志帆に何を言われようとも絶対に手をあげないと決めた。志帆は俺に張られると思ったのか目を潤めて口をへの字にして俺を睨んでいた。 「っ~…!」 「…わかったら…レイチェルには二度と変な事を言うなよ…志帆…」 「な、なによ…!なによ!なによぉおっ!クソ兄貴のクセにっっ!大っっ嫌い!!顔も見たくないっ!!!」 志帆は罵倒のフルコースを俺にぶつけて階段を降りていった。 「…ユウトサン…」 「…あいつがああなったのは…読者モデルを始めた時からなんだ…」 「……」 気まずい空気を変える為にとりあえずゲームでもするかな…。
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