記憶の扉

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「へぇー、神社なんかあるんだ? 行ってみよっかな♪」 コレと決めたら即行動の僕は子どもには少しキツい階段を一段飛ばしで上っていった。 「はぁ…はぁ……はぁ… やっとついた…… 階段長過ぎるよ……」 ――ゴーン、ゴーン… 境内前の砂利道に仰向けで大の字に横になって暫くゴロゴロしていると夕暮れを報せる鐘の音が辺りに響き渡った。 「やっばっ!! 帰らなきゃじゃん!」 慌てて飛び起きると乱れた髪と服を直して立ち上がった。 ――ツンツンっ 「ん?」 肩の下、肩甲骨辺りをつつかれて振り返ると、 まっ白い髪に狐のお面を斜めに着けた着物の男の子がニカッと笑って立っていた 「あそぼっ」 そう言って右手を差し出してくる男の子 「ごめんね? 今日はもぉ帰らなきゃなんだ……」 僕を見上げて首を傾げる男の子。 同い年くらいだけど、僕は同年代の子達の中では背が高い方だから見上げなければ相手は話が出来ないのだ。 「そうなの? なら明日は?」 僕の服の裾を掴んで見上げてくる男の子に僕はニコリと笑ってあげた。 「いいよ? 明日からは父さんも仕事で帰りが遅いからもうちょっと遊べるよ? 帰りは迎えに来てもらうし」 じゃあね。といって僕は神社を後にした。
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