友人

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「ゴメン。待った?」 「ううん。今、来たところだから」 今日のクーコは毛皮のコートを着たり、高そうなブーツを履いてみたりと明らかにオシャレをしてきている。化粧も普段より明らかに濃い。やっぱり同窓会だからだろうか。 彼女は今、老人ホームで介護福祉士として働いている。仕事上、化粧もオシャレもできないし、朝早くから夜遅くまで老人の世話をするのは疲労困憊する。挙げ句の果てに土日も関係ない出勤体制。今日は羽目を外して楽しもうという気持ちがうかがえる。 「真央、今日のお店、知ってる?私、行った事ないから分からなくて」 「うん。分かるよ。前に取材で行った事あるんだ」 「さすが雑誌ライターだね。私、そういうのにはうとくて」 「じゃあ、そろそろ行く?」 「そうだね。遅刻とかしたくないし」 真央とクーコはコンビニを出た。
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