愚かな片割れ達

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俺は閑散な住宅街を歩いている。 クリスマスイブと言うだけあって、この時間であっても、家々の明かりはまばらについている。はずなのだが、暗い。雰囲気、が重い。暖かさが死んでいる。そんな感じがした。 「すいません」 そんなことを考えていると、いきなり、後ろから声をかけられた。 声色からして若い女性か、いや、それ以前に足音も気配もしなかった。 俺は振り向くのを躊躇って、その場で立ち尽くす。 「あの、聞こえてますか?」 クイクイと袖を引っ張られる感覚。クイ、クイクイクイ、クイクイクイクイクイ。何がしたいのだろう、この人。 あまりにもしつこいので、俺は振り返ることにした。 「あ、やっと振り向いてくれましたね」
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