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◇
食事後母さん達の会話が盛り上がる中、食べ過ぎたから休憩すると言って二階の自分の部屋に逃げてきた。
なんだろなこの気持ち。
トントンとノックされる。どうぞというと祥子かおずおずと顔を出し、様子をうかがうように入ってきた。
「あっきゅん」
なんだよ遠慮すんなよと言うと、困った顔をされた。
「私迷惑だったかな?」
別にというと首を横に振られた。
「だってあっきゅんいつもみたいに楽しんでなかった」
それは……と答えにつまる。
何か変わってしまった気がしたから。祥子が変わってしまった気がしたから。友達の方を選ぶなんて考えたことがなかった。
ん?またか。携帯ちゃんが震えてメール受信を教えてくれた。
『さあて、今日はごめんね。祥子なんだけど今回無理やり誘ったんだよね。毎年あんたの家行くからたまには付き合ってって言ってさ。祥子と彼氏彼女じゃないのに毎年毎年は変だと思って。たまにはいいでしょ?というわけで……祥子サンタは私たちからのクリスマスプレゼントだ。返品は受け付けない!』
あー……なんだこれ。
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