世界はそれを--

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携帯の画像を消そうとする祥子ともみ合いになる。すでにパソコン側のアドレスに写メを送ったから消しても無駄だ。そうとも知らずにムキになって迫ってくる祥子。バランスを崩し顔を向かい合わせベッドに寝転がる形になる。先に口を開いたのは祥子。 「来年も一緒にやろうね」 もし俺に彼女が出来たら無理だけどな。 「心配ないよ」 いや……俺に彼女が…… 「しんぱーいないさ~」 いや、待て。どういう意味の心配ないさだよ。俺に彼女が出来ない的な意味じゃないよな?というかライオンキングみたいな心配ないさは止めろ。そう祥子に言うと、どういう意味だろうねと笑われた。 「メリークリスマス……あっきゅん」 そんな呟きが耳に届いた。なんだか不思議な安堵感に包まれ、胸が温かくなる。そんな俺のメリーメリークリスマス。 俺たちの傍らで携帯ちゃんが目を閉じ、愉快に歌う。 私はクリスマスに願う。あなたとの時間を。 私は願う。欲張ってクリスマスケーキを口いっぱいに頬張るあなたの姿を。 私は願う。楽しい愉快なクリスマスを。 私はクリスマスに願う…… 変わらぬ君との時間を-- そんな私のメリークリスマス。
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