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司と美筝は、歩き回っていた。
司「…なかなか、それらしい情報が得られませんね。」
“調”の“御力”を駆使しての司の嗅覚であっても、妹子の姿は掴めずにいた。
美筝「…手詰まりね。」
司「…妹子さんとは、全く別に…この土地には、どうやら“御力”が四名ほどいるようですが…。」
美筝「何ですってッ!」
のんびりと言う司に、美筝は食い付くように聞き返した。
司「あ~すいません…全く関係ないです…よね?」
司は美筝の剣幕に負け、弱々しく謝った。
美筝「…続けて。」
司「正確に、ここだという特定は、出来ないかも知れません。…美筝さんや皆さんが感じるような気配とは別に、念を感じる…です。」
美筝「…別の聞き方をするわ。司、貴方には他の“御力”がどの辺りに居るか判り、生死を確認出来るの?」
司「大体…なら。あ!でも、まだはっきりと出来る訳ではないですよ?」
美筝「…蘊英仁の…例えば敵軍の念も判る?」
司「あッ!」
司は、何かを思い付いたように、手を叩いた。
美筝「蘊英仁の念が込められてる“復活の玉”。…先手を打つなら、その能力がかなり役立つ。」
美筝は、ニヤリと笑った。
司「だけど…俺、まだまだ能力もはっきりしてないし…。戦力にはなれないかも知れないから…。」
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