第十五章~絶やされた行方

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美筝「…そうね。焦って、先を急いでも、まだ脆弱な“の組”のままでは、勝ち目なんてない。」 美筝は、考え込んだ。 司「…でも、俺が…俺達が成長するまで、相手側が待ってくれたりはしませんよね?」 美筝「蘊英仁…。」 美筝は、歯痒そうに呟いた。 司「…。」 司は黙り込んで、美筝を見つめた。 美筝「何?」 司「…貴女がそうやって、考え込んでいる時は、いつだって自らを犠牲にする。」 美筝「…。やぁね。それは、前世での話でしょ?」 司「だったら、一人で斬り込もうとしないで下さいね?」 美筝「…。何、心配してんのよ?」 鼻で笑う美筝。 司「約束して下さい。」 美筝「…。…やだ。」 司「姫ッ!」 美筝「…ねぇ、司?」 司「は、はい。」 美筝「心地好い場所に居ると、自分も人に優しくなれたりするの…。」 司「…え?」 美筝「生きる事に執着して、もがいて苦しんで、悪事に手を染めても、それでも自分を大切にする…。」 司「それは、蘊英仁がですか?」 美筝「人が…よ。」 司「人…。」 美筝「貴方も組長も鑪もハチも永昌もジョンも…りんさんも。皆、優しくて、お人好しだわ。」 司「それは、姫だってッ!」
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