序章

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――――― 5年後 ――――― 「殿下ー! 殿下ーーー!! どこにいらっしゃいますかーーーー!!」 一人の大男が二本の木刀を持ちながら城の中庭で叫ぶ。 「鍛練の時間ですぞー!!」 男の声は中庭だけでなく、城全体に響いた。それを聞いた使用人たちは「またか」と嘆息する。 「……あの糞ガキ、またサボりやがったな」 コッソリと誰にも聞こえないように呟く男 その背後から小さな人影が近づいてきた。 「『エア・バレット』」 一メートルもない距離で圧縮された風が放たれた。 男は回避する暇もなく、肛門に衝撃が走る。 「ギャァァァァァ!!」 肛門のダメージに男は悲鳴をあげる。 「ふはははは! ガウス討ち取ったり!」 男の肛門に容赦なく攻撃を仕掛けた子供はガッツポーズを取りながらその場で喜んで飛び跳ねる。 この子供こそ『ガウス』と呼ばれた男が探していた『殿下』本人である。
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