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そして十メートルくらいの距離をおいて止まり、その場からネイムに右手を向けた。
「っ!」
酔っぱらってフラフラだったはずのネイムは急に眼を見開き、男を睨む。
ネイムの行動に、騒いでいた村人も釣られて男の方を向いた。
「誰だ、お前?」
「…………凄いな。
なるほど、一人でピックバードを倒したというのは嘘ではないようだな」
魔法を放つ“準備”をしただけで反応を見せたネイムに男は称賛を口にした。
「人に向けて魔法を使うのは重罪だろ」
近くにあった適当な棒をネイムは剣のように構える。
「安心しろ。本気で放つつもりはないからな」
急な男の出現に村人たちは戸惑いを浮かべていた。
「あ、あの!」
そこへいそいでウィルソンが駆け寄り間に入る。
「この人は僕が依頼して来てもらった戦士なんです!」
「はぁ? ウィル、何言ってんだ? あの鳥は全部この若造が倒しちまったぞ?」
村長のジャックはネイムを示した。
ネイムは男を睨むだけで何も答えない。
「どこの所属だ?」
「…………俺はこの村にたまたま来て、ピックバードに襲われたから倒しただけだ」
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