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目の前にいる人物が本物の近衛騎士だとわかり、ジャックはすぐさま膝まずいた。
「す、すいませんでした!」
「いいのいいの。今は一応個人で動いてるから、そんなに畏まらないで」
アルカがそう言うものの、村人全員が頭を下げるという状態になっている。
アルカは思わず苦笑を浮かべてしまう。
「…………」
しかしただ一人、ネイムだけは立ったままアルカを見ていた。
なんでこんなところに近衛騎士がいるのか?
そんなことを考えていたのだ。
先ほど知ったことだが、地図から見てこの村は首都からかなり離れた場所にある。
国境付近でもなければ、重要資源が取れる場所でもない。
なのに何故?
「君がネイム・レスだね?」
「え?」
アルカが今日付けられたばかりの名前を口にして、ネイムは驚愕を浮かべた。
「王より、君を首都に案内せよと言われているの。
一緒にきてもらえる?」
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