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名を名乗られたらちゃんと名乗り返す。
それも礼儀だとネイムは考え、ため息混じりで自己紹介をする。
「ネイム・レスだ。
魔力なしだが、この場で一番強いと自負している」
何だかんだで魔力の無いことに劣等感を抱いているからか、執拗にネイムは自分の強さをアピールする。
「貴様、調子に乗るのも大概にしろ!」
「アンタもいちいち突っ掛からないでよ」
殴り掛かろうとすらしてきる少年をマリアが押さえてから、ネイムを睨む。
「アンタも、調子に乗ってると痛い目見るわよ」
「ご忠告どうも」
言葉のみで、マリアの顔も見ようとしないネイム
「はぁ…………魔力無しと貴族と同じ班とか…………最悪」
「はっ……こちらの台詞だ!
クズと“孤児”と同じ班ではろくな成績も出せん!!」
「っ」
少年の言葉にマリアが反応した。
「…………何ですって?」
「はっ……リーネルと言えば、街の隅にある孤児院だろ?
そんなどこの馬の骨ともわからん輩が騎士を目指すなど片腹痛いわ」
「アンタねぇ!!」
「マリアちゃん、怒っちゃ駄目だよ!」
マリアが少年を殴ろうとするのをマルタが止めに入る。
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