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 初めて、私の名前を呼び捨てにした人だった。  出会ったのは、学校の食堂にある自動販売機の前。  10円足りなくて困っていた私に、10円を貸してくれた。  一緒にジュースを買って、たわいもない会話を始めた。  そんな、どこにでも転がってるような陳腐な出会いだった。    入学して2日目で、クラスの子もまともに知らなかった私。  その日の他愛無い会話で、キミが同じクラスだと知った。    翌日から  「オハヨ」  と当たり前みたいに声を掛けてくれたキミ。  ドキドキした。  高校で初めて出来た男友達という存在に。  軽く交わされる挨拶に。  「お、はよっ」  恥ずかしながらも返事をする私  キミは衒いなくニッと笑顔を返してくれた。  それだけで―――  多分、それだけで私はキミに恋をした。
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