970人が本棚に入れています
本棚に追加
背もたれに手を乗せて、彼女の耳元に唇を寄せる。
眠る彼女に届くのかな―――
なんて思いながら
「愛してるよ」
と囁いた。
心なしか、彼女の頬が緩んだ気がするのは気のせいだろうか?
勝手に嬉しくなった俺は、そのまま彼女の頤に手を掛けてそっと上を向かせる。
こっくりこっくりと夢の中を彷徨う彼女を無視して
「キス、していい?」
返事もないのを百も承知で尋ねて―――返事のないきみの唇にキスをした。
俺はきっと、この先もずっと。
ずっとずっと、この唇にキスをする……
*
最初のコメントを投稿しよう!