君と彼

7/15

967人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
 ――――――  不意打ちのキスに焦って、俺はますます心臓がおかしくなりそうだった。  それでも平然を装ってみる。  彼女が慌てて離れてそっぽを向きながら、ミルクティーを飲んだ。  後ろから見える耳が赤いことに気が付いて、頬が緩む。  緊張してるのは、俺だけじゃない?  もしかして、本当に……  期待する気持ちが膨れ上がって、ぐんぐん想いが募っていく。    「大事にしないと許さないから!」    なんて、照れながらそんな言葉を吐く彼女が愛しくて仕方がない。    大事にしないわけがない。  だって、俺のものだろ?  俺を見てくれるんだろ?  それなら一生、大事にする。  死ぬまでずっと―――
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

967人が本棚に入れています
本棚に追加