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「この扉の中に国王様、及び大臣、上位騎士様がいらっしゃる。呉々も無礼のないように」
「わかった。気を付けるよ」
何故か普通の客人を迎えるような態度に変わったのか分からないが、棗はある程度平然を取り戻していた。
「では入るぞ」
そして何故か国王の前に連れて来られた。
「国王様、今朝捕らえた民です。先程話した通り…」
「分かっておる。下がりなさい、クレア」
国王に一礼し
「無礼のないようにな」
と、念を押すように耳打ちをして騎士と思われる列に並んだ。
「お主が、ナツメじゃな?」
「はい。あの、俺はどうなるのでしょうか」
「お主をどうこうしようというのではない。ただどうしても確かめたいことがあってな」
一呼吸置いて国王は一気に息を吐くように訪ねてきた。
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