プロローグ

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「てめぇら…人が黙ってればいい気になりやがって」 もはや縛られていることすらイライラで忘れている棗。それを見て更に笑う兵士。 まさに棗にとっては悪循環である。 「こんなものぉぉぉお!」 「はは、貴様のような軟弱なガキにこの鎖が壊せるとでも『ベキ!』え、べき?ぐほぉ!」 何かが千切れる音と共に兵士が一人吹き飛ぶ。 「なぁお前ら…昔の人の夢を知ってるか…?それはな―」 『ひぃッ』 構えた拳の裏に禍々しいオーラを感じたのか鎧の面を下ろし震えながらも抗う意を見せる兵士。 しかし、そんな鎧に意味がないことは棗を含め誰にも知る由は無かった。
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