小さな僕のちいさな恋

願い

先生が何か言おうとしてましたが、僕は頭の中が真っ白でした。

なんで結婚すると明日から居ないのか当時の僕では知るよしもなかったのです。

パニックになって泣きじゃくる僕を先生は優しく諭しながら言葉を続けました。

「毎日のように、四つ葉のクローバーを私にくれてありがとう。先生は、君のおかげで幸せになることができたの。本当にありがとう！」

それでも泣きじゃくる僕。

「先生ね、本当に嬉しかったの。こんなことされたのお仕事してて初めてだったのよ？そして幸せになることもできただなんて…。ありがとう！」

そう言って先生は僕が手渡した４つ葉のクローバーをそっと返しました。

「先生はね、もういっぱい幸せをもらったの！今度は君が幸せになる番よ？きっと大丈夫！君なら幸せになれるはずよ？人を思いやれる心を大切にね？」

そう言い終えると先生はその場から駆け足で去っていきました…。

こうして、甘酸っぱさも分かるはずもない僕の初恋は幕を閉じました…。

そしてなんとちょっとした続きが…小学校六年生になった頃、近所に引っ越してきた子を集団登校で初めて迎えに行ったその時！その先生の子供だったのです！