-プロローグ-

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彼が最後に残した言葉‥‥私はそれを初めは受け入れることができなかった。 だけど季節が変わるにつれて、その言葉はだんだんと私の心を挫けさせていった。 ーーもうあの人のことは忘れよう   そう決めたのは彼が眠ってから、いくらかたった時だった。 私はあの人を忘れるため、思いでの品を段ボールへ仕舞い込んでいった。 「いっぱいあるな‥‥これは忘れていった洋服かな」 手に取ると無意識に、顔を洋服につけてしまった。 すぐに離し、きれいにたたみ段ボールへ仕舞う。 「これは買ってくれた、‥‥‥‥人形‥‥」 物の一つ一つの思い出を思い返しながら、ゆっくりと段ボールへと仕舞っていく。 すると一冊のアルバムが最後に残ってしまった、私はやっぱりあの人のことを忘れたくないのかもしれない、実際にあのアルバムを最後まで残してしまったから。 「駄目だなぁ‥‥私‥もう忘れるんだから‥‥‥でも‥‥最後に一回‥‥一回だけ‥‥」 アルバムを手に取り、これを一回見たら捨てると心に決めて、ページを一枚めくった。 そのアルバムには思い出が沢山詰まっていた。 「‥‥寂しい‥‥‥寂しいよ‥‥‥‥往人さん‥‥‥‥」 アルバムを見ながら私は昔のことを思い返し始めた。 -eternally forever-
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