1人が本棚に入れています
本棚に追加
彼が最後に残した言葉‥‥私はそれを初めは受け入れることができなかった。
だけど季節が変わるにつれて、その言葉はだんだんと私の心を挫けさせていった。
ーーもうあの人のことは忘れよう
そう決めたのは彼が眠ってから、いくらかたった時だった。
私はあの人を忘れるため、思いでの品を段ボールへ仕舞い込んでいった。
「いっぱいあるな‥‥これは忘れていった洋服かな」
手に取ると無意識に、顔を洋服につけてしまった。
すぐに離し、きれいにたたみ段ボールへ仕舞う。
「これは買ってくれた、‥‥‥‥人形‥‥」
物の一つ一つの思い出を思い返しながら、ゆっくりと段ボールへと仕舞っていく。
すると一冊のアルバムが最後に残ってしまった、私はやっぱりあの人のことを忘れたくないのかもしれない、実際にあのアルバムを最後まで残してしまったから。
「駄目だなぁ‥‥私‥もう忘れるんだから‥‥‥でも‥‥最後に一回‥‥一回だけ‥‥」
アルバムを手に取り、これを一回見たら捨てると心に決めて、ページを一枚めくった。
そのアルバムには思い出が沢山詰まっていた。
「‥‥寂しい‥‥‥寂しいよ‥‥‥‥往人さん‥‥‥‥」
アルバムを見ながら私は昔のことを思い返し始めた。
-eternally forever-
最初のコメントを投稿しよう!