2、『死ノカウントダウン始マル』

47/50
前へ
/301ページ
次へ
渋谷はコクンと頷く。 「ま、遺体の状況と周辺の様子からして……前者はない。被害者の血痕がそこら辺に飛び散っとる。追われて、ここで殺されたんじゃろうな。」 「複数人で追って捕まえて……、リンチの末死に至らしめたと。なんと惨い。 犯人は複数なら、目撃証言が洗い出しやすい。早速行きます。」 誠一は渋谷に一礼すると、その場から立ち去ろうとした。 「待ちなさい。」 急ぐ誠一を渋谷はひき止めた。 「なんですか!?これから忙しくなるっていうのに!!」 「まぁ、行き急ぐな。それはお前の悪い癖じゃぞ。 ………お前さんに見せておきたいものがあるんじゃ。」 渋谷の妙に含みのある言い方に、誠一は少し眉をひそめる。 「……なんです?」 「その……これなんじゃがな。」 渋谷は遺体の着ている制服のシャツをはらりとめくった。 「………これは!」
/301ページ

最初のコメントを投稿しよう!

518人が本棚に入れています
本棚に追加