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渋谷はコクンと頷く。
「ま、遺体の状況と周辺の様子からして……前者はない。被害者の血痕がそこら辺に飛び散っとる。追われて、ここで殺されたんじゃろうな。」
「複数人で追って捕まえて……、リンチの末死に至らしめたと。なんと惨い。
犯人は複数なら、目撃証言が洗い出しやすい。早速行きます。」
誠一は渋谷に一礼すると、その場から立ち去ろうとした。
「待ちなさい。」
急ぐ誠一を渋谷はひき止めた。
「なんですか!?これから忙しくなるっていうのに!!」
「まぁ、行き急ぐな。それはお前の悪い癖じゃぞ。
………お前さんに見せておきたいものがあるんじゃ。」
渋谷の妙に含みのある言い方に、誠一は少し眉をひそめる。
「……なんです?」
「その……これなんじゃがな。」
渋谷は遺体の着ている制服のシャツをはらりとめくった。
「………これは!」
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