2、『死ノカウントダウン始マル』

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この言葉…。 このように被害者の胸に刻まれているのだから、無関係ないわけがない。 渋谷の言うとおり、犯人の何かのメッセージであるのは間違いなさそうだ。 被害者の胸に直接刻み込むという異質さ。 犯人の…いや、犯人たちの強力な意志みたいなものを感じる。 “断罪ガ始マル”。 汲み取れる意味は……何かを裁く…ということだろうか。 「なんでしょうか…。とても嫌なものを感じます。」 誠一は顔をしかめる。 渋谷も首を横に振り、眉間にシワをよせた。 「わしもじゃ。……この手の事件は何か嫌な予感がするのぅ。」 「これが本当に犯人のメッセージなら……、何かが始まる、予告のように感じます。“断罪”とは一体どういう意味なんでしょうか。」 渋谷と誠一はその場で唸った。 「………わしも、この仕事して長いが。こういうのは大きな事の前兆みたいなのは多い。何もなければ、それに越したことはない…が。」 「前兆…ですか?」
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