2、『死ノカウントダウン始マル』

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「明けたばっかりなのに、早速召集とは…。休む暇もなかったじゃろ?」 「それは渋谷さんも同じでしょう。老体に響くんじゃないですか?」 「ぬかせ。年寄り扱いするな。」 渋谷はそう言うと、カラカラと小気味良く笑った。 誠一とこの鑑識課のベテラン、渋谷という男は古くからの付き合いで互いの信頼も厚い。 こうやって現場で顔を合わせることも多い。 長年警視庁に勤める誠一にとって、一番信頼できる人物だ。 「渋谷さん、今ここに若いヤツが来ませんでしたか?」 「ん?ああ、あのひょっ子か!ヤツめ、遺体見るなり真っ青な顔ででていったわい。」 やっぱりか…と誠一は呆れ顔でため息をつく。 「まったく…斉木め勝手に行動するからだ。」 「ありゃ1ヶ月は肉類食べれんな。最近の若いモンは根性がないのぅ。」
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