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まったくです、と誠一は苦笑いで返した。
「それで……遺体は?」
「そっちじゃ。」
渋谷は先日の雨でかなら湿っぽくなっている先を指した。
足を踏み入れば、ぬかるみで足をとられてしまう。
………そこには、人間大の青色のビニールシートが被せられており…。
鼻をつく異臭がした。
誠一は一度ビニールシートの前で手を合わせ、冥福を捧げる。
そして、はらりとシートをはぐり遺体を確認した。
「………。」
長年刑事を務める誠一でも、あまり気分のいいものではない。
慣れた…といえばそこまでだが。
人の死に様というものは、生々しく時にひどく残酷なものだからだ。
誠一は遺体の様子を確認すると、ふぅと一つため息をついた。
「まだ、若いな。」
「………じゃな。先日の雨と、死後数日が経ったせいで遺体はかなり傷んどる。なんともまぁ、憐れなもんじゃ。」
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