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腐敗が進んでるとはいえ、若者であることははっきりと確認できた。
横たわる遺体は、学校の制服を着ているようだ。
その形容から見て、間違いなく学生であろう。
「高校生…くらいか。」
「じゃな。遺体のポケットに学生証が入っとった。どうやら、都内の私立高校生らしいな。今、身元の確認を急いどるだろ。」
「そうですか…。はぁ、これは親御さんはたまったものではないでしょう。なんて惨い。」
「そうじゃったなぁ。桃太郎の息子も高校生じゃったな。」
「ええ、4月で高校3年になりました。娘は中学2年です。」
誠一と渋谷は、その遺体を複雑な面持ちで見ていた。
まだ若い遺体…。
なんともやるせない、悲しい気持ちになる。
「遺体は体の至るところに暴行の跡がある。腕にも抵抗傷がかなりついとる。………どうやら、複数の人間から暴行を受けたようだ。」
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