2、『死ノカウントダウン始マル』

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「集団リンチの末に死に至ったと?」 「それはわからん。じゃが、ここではないどこか別の場所から来て息絶えたのは間違いなさそうじゃ。」 「そう考える根拠は?」 その誠一の疑問に答えるために、渋谷はビニールシートをめくり、遺体の足元を指差した。 「これじゃ。この靴やら制服のズボンやらについてる。」 「これは………桜の花ですか?」 時間が絶ち、花びらはしおれて茶色く変色していた。 が、見るに桜の花びらで間違いなさそうだ。 「桜の花ですか…。確か、ここには咲いてないハズですね。」 「じゃな。この橋下周辺には桜の木はない。もっと上手の方に行かなければ木はないはずなんじゃ。」 それが何を意味しているか…。 誠一はすぐにピンとくる。 「被害者は、この河川敷の上手で殺されここまで運ばれた…。もしくは暴行を受けながら、被害者がここまで逃げてきた。」
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