短編集~ショート・ショート~

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ドラクエ好きの美少女ゲーマーは夢想のファンタジア 学校帰りに交通事故で死んでしまう空想から、少女の夢の世界がいつもはじまるのです。 そうして気づいたところは、中世のヨーロッパ、に、よく似た、森のなか。赤いギンガムチェックの制服のまま、美少女ゲーマーが呟いた台詞は、魔法使いがあらわれる、5秒前のいつものお約束 「ここは…どこ?わたしは……だれ?」 ドロロンパ!! 「やぁ、またせたね。君。ハックション!」 現れたのは太宰 治好きのハンサムな金髪碧眼の美青年黒魔導師レベル99【呪。神経衰弱にあこがれる】装備は裏ダンジョンで手に入れた、漆黒のサンタクロースシリーズ。黒魔導師には黒絹に銀糸の刺繍ローブが、よく似合う。 なのにくしゃみをしては、悲しい顔をしてみせるから、そこはいつしか玉川上水。 「…なぁ、君。一度死んだ身なら、二たび死んでもかまうまい。ここで一緒にわたくしと死んではくれまいか。ゴホン、ゴホン……あ、…血だ…」 「ええー!!マジっすかぁ!本物の呪いっすかぁ!教会に寄ってから来てよぉぉ」 叫んだドラクエ好き美少女ゲーマーは、何を考えたか、どさくさにまぎれ、唱えてみたかった呪文を、言ってみた。玉川上水のふちで。 「ベホマズン!!なぁーんてね」 何もおこらない。(あ、…よかった。…MPたりなかったかな)そうホッとした時、玉川上水から奇跡のように、ひとつの光明が少女をさした。 「………あ、もしかして!これでどうじゃぁぁぁー!!」 美少女ゲーマーは、塾通いは休みません!夢想の世界とはいえ、二度死ぬのもごめんです!! 「津軽!!!」          
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