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「秦伯南の子か」 真は黙って肯いた。 顔をあげて目の前に立つ男を見つめる。 壮年の男だ。 背丈は低く、痩せ気味。 子供心ながらに、あまり見栄えはよくないなと思った。 しかし整った顔立ちをしており育ちの良さを感じさせる。 その品の良い顔が、月影のもとに蒼白く浮かび上がっていた。
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