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「?…」
まことていう少年がこっちを向いて歩いてきた
「あの…コレ…使ってください…」
「へ?」
突然のまことていう少年の行動に俺は少し戸惑う
「俺はいいよ…」
と断るが
「でも、いつ止むかわかんないよ!それに傘だったら『愛生園』ていうとこに返してくれたらそれで良いです」
ニコって笑いながら傘を差し出してきた
「それじゃアンタが…」
「大丈夫!自分はおばちゃんと一緒に入って帰るから」
だから、ハイ と傘を渡してきた
「……それじゃ、借ります…」
遠慮気味に答えた
「うん!じゃあ…おばちゃん!帰ろう」
仕方ないわねぇ…とおばさんは苦笑いを浮かべながらまことていう少年を傘に入れる
まことていう少年は少年で
「合い合い傘だぁー」
とはしゃぎながら帰っていった
「長峰 誠?…」
傘の柄の部分に丸っこい字で『長峰 誠』と書いてあった…
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