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問題は自分の家の方だと思っていたが、最初は激怒していた父も、智之の家柄を知ると高校卒業後の結婚を条件に渋々ながら承諾。
その後、すぐに両家を交えての話し合いの席が設けられ婚約が決まった。
トントン拍子に決まった結婚。
それを、さほど迷いなく受け入れている自分自身がいた。
不思議に思い智之に話すと、智之は笑いながら「運命だからだよ」と答えた。
―運命…
そうだとするなら、出会いは必然だったのかもしれない。全ては、ずっと昔から決まっていた事。
突然吹いた強い風。
正面を向いた雪乃の目に、道沿いに建つ石造りの鳥居が映った。
古くから町にある大きな神社。
境内の先には裏山に続く石段があり、それを登ると周囲より一際大きな木が目に飛び込んでくる。
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