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髪を整えながら脇道へ入ると、人目を避けるように止められた白い車に近付き、素早く助手席に乗り込んだ
「相馬先生…じゃなかった。智之さん、おはよう」
はにかみながら挨拶した雪乃を、中性的で綺麗な顔立ちの男は優しく見つめる。
「おはよう、雪乃。今日から夏服だったね。よく似合ってるよ」
爽やかな笑顔を向けられ、雪乃は顔を赤らめ俯く。
「あ、りがとう」
初々しい反応に智之が頭を撫でると、雪乃は少し拗ねた様子で顔を上げた。
「また子供扱い」
「してないよ」
「してる」
「可愛いと思っただけだ」
「同じ事じゃない。…もういい。そのうち、子供扱いなんか出来ないくらいの大人の女性になるんだから」
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