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涙と鼻水と鼻血とゲロを流しながら、
「こいつら、一人残らず絶対殺す……」と厨房まる出しの決意をしていた。
焼却炉に学ランとスラックスを入れて燃やされ、財布も学生証もその中だったため、
暗くなるまで待って、カッターシャツにトランクス姿で部活棟の中を捜し、ジャージを拝借して帰宅。
自宅が徒歩県内でよかったが、歩くだけで全身が痛くてたまらなかった。
自宅に帰って、すぐに泣きながらシャワーを浴びて、血と汚れを落としてから、
両親にぼそぼそと「ごめん、自転車でガケから転げ落ちて」と訳のわからない説明をした。
その夜は夕食が食べられず、また夜になって酷く身体が痛み出し、全身が熱くてたまらず、
我慢できずに母親を起こして、緊急外来に連れて行って貰った。
40度近い熱があり、吐き気と下痢もひどかった。打撲と亀裂骨折が原因だと診断されて、
入院を申しつけられた。一時は少し危険な状態だったらしい。
両親は、うすうす感づいていたようで、「誰にやられたか教えて欲しい」と言っていたが、俺はただひたすらに黙っていた。
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