朝倉ルルは困る

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「えっと、その、スカウトさんですか?えと、この名刺はつまり……」 そう言いながらその名刺を受け取る。名刺にはタレント事務所『リトルフラワーガーデン』と書いてあった。 「知らない?うちの事務所。まあでもつまり、スカウトマンが名刺を出したということはそういう事。君をスカウトしたいんだ」 その言葉で、さらに頭がパニックになる。それと同時に得も言えない高揚感が身体の中を駆け巡った。 「ス、スカウト!?もしかしてわたしをですか!?」 声は上ずっている。だって、まさかこんなに都合の良い事が起きるなど、実際考えていなかった。嬉しいよりもなによりも、この展開に全然頭が追いついてかない。 「まあね、実はさっきからずっと君を見ていたんだ。正直多少垢抜けていない雰囲気はあるけどね、それでも僕の目は確かだ。君はいわゆるダイヤの原石。僕はそう感じたんだけどね」 ここまで言われて嬉しくない女の子はいるだろうか? 「とりあえず近くに事務所があるから、覗いていくだけでもどうだい?」 その言葉に何度も首を振り、歩き出した男性の後をついて行き駅前から繁華街へと向かった。
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