卒業―託される意志―

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継承終了後 在校メンバーと卒業メンバーは飯に行くことになった だが神谷が少し待っといてくれと言い、桐生と一緒にどこかへ向かった 二人が向かった先、そこは裏庭 藤がベンチで横になって寝ていた 「優理。」 神谷が呼ぶ 「臣君、それに…桐生」 「呼び捨てにすんな、ほれ」 桐生はそう言い、藤に自分の着ていた学ランを投げ渡す 「いらないよ別に」 藤が不満そうに言う 「知るか、お前には受け取る義務がある。それほどの実力があり、この皇国でなんもせずに勝手に生きるなんてのは許されねぇ」 桐生が言う しかしまだ藤は不満そうである、そこで神谷が前に出る 「優理、桐生だって最初はお前みたいなこと言ってたよ。だがとりあえずそれを着てやるだけやってみろ、俺たちがお前にそれを託した意味はいずれわかる 別に【仁義】に入れってわけじゃねぇ、ただそれはお前しか受け継げないと思ってる」 神谷が藤の前で言う 「…わかったよ……。」 藤はしぶしぶ納得した 「よし、んじゃ俺らはもう行くからよ。またな」 神谷と桐生はそう言うと藤に背を向け去っていった 「俺がこいつを受け継ぐ理由…か…、よくわかんねぇな。」 藤は学ランを見てそう言うと、家に向かって帰った
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